文楽相模原公演: 仮名手本忠臣蔵 その5

五・六段目を観て、私はしみじみ思ったのである。
あー 自分は四段目が好きだわ。と。  (遠い眼)
こればっかりは好みの問題なんだなぁ。
四段目の「花籠の段」「塩谷判官切腹の段」「城明け渡しの段」… 
すべての場面の根底に、静寂、キリキリ締め上げるような緊張感、気品と悲しみが流れていたように記憶する。
いくら五・六段の構成がすばらしく緻密で、悲劇的であっても、
四段目の舞台の美しさ、あの劇場を満たして観客を追い詰めるような、なんとも形容し難い空気には敵わないような気がするのだ
私が観た大序~四段目、由良助を遣っていたのは人間国宝・吉田玉男さん(2006年逝去)だった。
あのかたの舞台を何度か観ることができたのは本当に幸運であったと思う。
つづく

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