束芋展 感想メモ その2

束芋さんの作品の原画はすべてアナログで描かれているそうだ。
私が見たところ、「これは鉛筆の線だろうな」「これはペンみたいだな」と何となく判断がつくけれど、もしかしたら別のものを使用していて、PC上で質感をコントロールしているかもしれない。
(原画を読み込むとき、レベル補正・トーンカーブ調整などである程度かすれた線にしたりシャープにしたりすることができる)
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束芋さんが師事していたアーティスト田名網氏の文章より。
『束芋作品が醸し出す猥雑でどこか懐かしい空気感は何処からくるのだろう。
幾分不自然な人体構造と独特の動き、浮世絵の色彩を借用したエロティックで
ユーモラスな漫画的線描、そのどれもが笑顔の美しい生身の本人からはとても
想像できない世界なのである』
…そうなのだ、ほんと、彼女の引く線は漫画的で見る者が入り込みやすい。とワタシも思う。
しかし、“漫画的な線描”って何なのだろうな、とここで考えてしまう。
「漫画的だな、」と感じさせる線と、そうでない線との違いはどこにあるんだろう???!!!
美術畑の人なら答えられるのかな。すごく面白いテーマだな、とおもった。(もう誰かが研究しているのかもしれないけれど)
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束芋さんのカラ―作品がどこか懐かしさを感じさせるのは、色彩のえらびかたもあるのだろうか。
上記引用の田名網氏によれば 『浮世絵の色彩を借用し…』とある。
そういわれてみれば、現代のSFアニメで使われるような非現実的(自然界で見られないような、という意味で)な色は使われていないかも…
全体の印象として、厚みのある手漉き和紙(ちょっと色のついている)に線を引き、
日本画の岩絵の具で着彩したような感じ。

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コメント

コメント一覧 (2件)

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    束芋さんの作品を初めて見た(芸術新潮だったような記憶が)ときに浮世絵的だと思ったものです。
    そこだけにとどまらないのも良しですけど。
    漫画的な線って最近は多様化していて「これ」というのが浮かびませんが、ちょっと前の漫画的なのかなって思います。

  • SECRET: 0
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    〉初めて見たときに
    そうですか~。やはりそういう目をお持ちの方にはすぐわかるんですねー。
    私は全っ然そこまで把握できませんでした。TVか何かで画像をちらっと見たのだと思いますが、、「あー 何かドキドキする。もっと見たい」という感覚になりました(<小学生レベル)
    >ちょっと前の
    そうですね、最近の萌え絵だと細くて抑揚の無い硬質な線が主流ですが、束芋さんの線は「劇画」の線に近いかもしれませんね。

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