国道沿いのアザミ

ウチから最寄の駅まで国道沿いに歩くと、ある地点で歩道と車道の間から噴き出すように
数ヵ所アザミが芽吹き、気温が上がるにつれ背丈を伸ばし葉を拡げている。
異様な風景だ。
たぶんあれは普通のアザミじゃなくて特に大きな種類だとおもう…
（ワタシが幼い頃遊んだ原っぱで見たアザミはもっと細い雑草だった）
そのアザミたちの周囲はすべてが舗装され、
すぐ横の車道では轟音を立ててトラックやらバイクやら無数の車輛が頻繁に走り過ぎる。
その国道はこのあたりの物流にとっては大動脈のようなもので
週末にはすぐ渋滞気味になる場所である。
空気も悪い。
気温が上がればアスファルトの輻射熱でうだるようだ。
車輛の重みで地面はやや凹んでおり、夏のゲリラ雷雨の折には水が深く溜まって運転手を怯えさせる。
夏の都市部の悪夢を切り取ったような場所。
…でも毎年、そこでアザミがぐわぐわ咲くのだ。
今年も最近になって急激にあの尖って分厚い葉が増え歩道にせりだしている。
今日の午前中もそこを歩いて通り過ぎたのだけど…
つい足を止めてその葉、つぼみ、ずぶとい茎、に見入ってしまった。
まるでありとあらゆる外界に敵意を剥きだしにしているようなその姿。
どこもかしこも分厚く、刺々しく、過剰で、荒い。
なんでそんなに怒り狂っているの？？？
と問いたくなる。
しかし眺めているうちになんだかホロリとしてくる…のは何故かしら　　^^;