暫く逢っていなかった人の訃報をきいて
半日ほどポカンとしていたのですが、
今日のお昼くらいにストンとその事実が腑に落ちたというか、ようやく
現実のものとしてとらえることができ
あれやこれやの記憶、そのひとの声がまざまざとよみがえり
泣けて泣けてしかたがありません。
知人というかかつての上司というか、
親子ほどの年齢差だったのですが、
自分にとっては「年上の友人」という存在でした。
そのかたは私にいろんなことを教えてくれました。
どれほど言葉を尽くしてもあのかたの存在がどんなものだったかは説明のしようがなく
我慢をしていたのですが
今日はこどもの前で泣いてしまい、こどもももらい泣きをして
「そんなに泣くとそのおともだちも悲しむよ.
泣かないほうがよろこぶとおもう」
と言ってくれたりしたのですが、こればかりはどうしようもない。
活字と山とカメラと煙草とをこよなく愛していた人でした。
京都人でしたが、どうも一般的な京都のヒトのイメージからはかけ離れており
火の玉小僧の如くいつも元気で声もむやみに大きく、毒舌家でありつつ溢れるユーモア。
スキーに行けばどこでも直滑降。
会社組織にいた頃から自由人そのものの印象でしたが、早々と脱サラしてからはさらに身軽な編集者となり、
国会図書館で眠っていた厖大な昭和初期文芸作品のコレクションを編纂し世に送り出していました。
職場でも自宅でも本に埋もれていたかとおもえば(<自宅の床が本で抜けそうだとよく言っていました)
今日は東あすは西、北へ南へ…
以前、ひとりでロンドンを旅しているとき、タクシーの中にカメラ機材を忘れたそうなのですが (<…なんで?^^;)
そっくりそのまま出てきたそうで、
「いやーーー 感動したわ!!」
と嬉しそうに話してくれた様子が、昨日のことのように思い出されます。
ドライブが大好きで、長距離旅行に行って帰宅後まもなく病の床に就き、数十日で世を去ったというのも実にあのかたらしい。
この世を疾風のように駆け抜けて、最期もそんなふうだった気がします。
コメント
コメント一覧 (2件)
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カッコイイ方ですね
泣いてあげたほうが僕は喜ばれると思っています
ご冥福を祈ります
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きのうは泣きっぱなしでした。
でも泣きながら、あのかたのことを思い返しつつここの記事を書いたことで
ずいぶんと心がおだやかになったのが不思議でした。
身長は160㎝にとどかない小柄な男性でしたが、あのバイタリティ、
まさに『山椒は小粒でもピリリと辛い』という表現がぴったりのかたでした (TvT)