森村泰昌特集です。
以前、わたしも記事で感想を書いた東京都写真美術館で開催中の(~5月9日)『なにものかへのレクイエム』について、作品の一部・対談が掲載されています。このアーティストにかなり興味がある方なら「買い」です
ちょっとした公共図書館でしたら、『美術手帖』(美術出版社)を雑誌コーナーで貸出&所蔵しているところが多いので、図書館をチェックするのも手です。
この展覧会を見に行って、いろいろ感じたことやギモンなどがあったのですが、この『美術手帖』であれこれ答えとなる箇所があり、自分としてはとても嬉しかったです。このヒトのやっていること、語る言葉がとても興味深い… 何度も読み返しています
“ 私は、芸術というのは勝利者のためにあるのではないと考えています。
経済も政治もスポーツも、みんな基本的に勝利者優先の世界です。
消えゆくものや、敗れ去るものや、弱いものや、目立たないもの、
そういう一般的には社会のおちこぼれなどと呼ばれる存在の在り方を
輝かせる機能は、芸術以外には持ち得ないとさえ思います。
登場する兵士は名も無い一兵卒(私の父がそうであったように)
です。その兵隊に芸術を生み出す道具を持たせ、よろよろと
山の頂上に向かわせたい。様々な20世紀の「男達」を
経巡るうちに、無名の戦士に至ってしまったというのは、
自分でも思いがけない結果です。”
(東京都写真美術館 「森村泰昌:なにものかへのレクイエム― 戦場の頂上の芸術」
展 プレスリリースより)
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コメント
コメント一覧 (2件)
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書店で見かける雑誌ですから読んでみますね
芸術の世界には勝ち負けはありませんね
あるのは好みですね
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> あるのは好み
ホントですねー。
今回紹介した森村さんの言葉には深く感ずるところがあります。
芸術の役割、というものをここまで射抜いた言葉はこれまで無かったのではないかと思います。