『リバースエッジ　大川端探偵社』

名作です！　作品内容については○mazonのレビュー欄に皆さんが的確に書いておられるのでそちらをご参照ください。内容はオトナ向け。　例えばの話、TVドラマ化されたとすると放映は23時以降になる…というような感じですね☆　
（中にはゴールデンタイムにのせられるお話もあります）
レビュアーの中に、辛い点をつけているかたがいらっしゃいましたが、その方は『迷走王：ボーダー』と比較して物足りなさを訴えていたんですね。『ボーダー』を雑誌掲載時から読んでいらしたようなので、鮮烈な記憶と思い入れもおありでしょうからその「物足りない」という感想も無理からぬこととおもわれます。（『ボーダー』は長編でしたし）
『迷走王：ボーダー』はこの『リバースエッジ』のコンビ（ひじかた憂峰さん　＆　たなか亜希夫さん）が約25年前に発表した作品で（当時のひじかたさんのペンネーム＝狩撫麻礼）確かにすごくとんがった内容でした。
私はさすがにリアルタイムで読んではいないのですが（１０代でしたので…；）、後年、とある先輩から
「おまえも漫画好きを標榜するならばこれを読め！」と渡されて
出会ったのですなぁー
『迷走王：ボーダー』で、男子の(狩撫さんの？)ロマンティシズムをじっくり学んだように思います。
しかし、男性が今の時代にこの作品を読んだら、感激するヒトもいるでしょうけれど、
その一方で「えぇー　オレはちょっと…」とついていけないヒトも少なからずいるような気がしますね。
私としては、『ボーダー』はやはり昭和という時代と、原作者の感性（年齢）を色濃く反映したものであり、『リバースエッジ』と単純に比較できるもんじゃないなぁとおもいます。作画担当のたなか亜希夫さんの絵も、当時から非常に上手いのですが、現在とくらべ初々しいというか可愛らしい感じ（うぅ、うまく言えない）が漂っています。
『リバースエッジ』は一話完結、それぞれが大体２０ページという短さなのですが、
ものすごく内容が濃くて見事にストンとオチて終わるものですから、
読後感がたまらなく充実しています。
まさに短編の醍醐味。
これはもう円熟したベテランの技ですね。
読み終えるたび、じわわわわ～～と余韻が広がってすぅっと静かに消えていきます。
原作者のひじかた憂峰さんの優しい眼差しが全編から伝わってくるのがいいんですよ～
心に別の顔を押し隠した一見平凡な人間、猥雑な世界で逞しくしたたかに生きている
人々、すべての人をひじかたさんはいとおしく思っているのでしょう。
さらに作画がたなか亜希夫さんですから、これはもうゴールデンコンビなのです！！
味わい深く圧倒的なあの絵、ストーリー運びの緩急、コマ割り、‘箸休め’的な小っちゃいギャグ、
そしてラストシーン…　
読んでいてまさに快感ですよ。　たなか亜希夫さん天才
たなかさん作画担当の『かぶく者』が終わってしまってションボリしていたので、
この作品のことを知って本当に嬉しかったです。
現在のところ、１～３巻が刊行されています。
私ときたらつい最近までこの作品の存在を知らず、知った途端慌てて入手しました。
読み始めたときのワクワク感ときたらなかったです。
手が震えていたかもしれません。
ページを開きながら気分は「嬉し泣き」…
こういう作品があるから自分は漫画が好きなんだとおもいます。
長く続いて欲しい作品です。
----------—-
ちなみに、同コンビで『ネオ・ボーダー』が５月から連載開始されています。
こちらは平安時代が舞台だそうです。
試し読みページを見ると（すみません単行本待ちです）
『リバースエッジ』とは違って
『ボーダー』路線のスラップスティックみたいですね。
こちらも楽しみ～　(^.^)